プロレスDVD「壮絶!喧嘩マッチ烈伝」DISC-3

ハヤブサプロレス 2025年

力道山が残した名言「プロレスは、ルールのある喧嘩である」

プロレスライターの流 智美(ながれ ともみ)氏による監修・解説のもと、新日本プロレスのリングで起こった喧嘩マッチの数々を収めた本作。
「喧嘩マッチ」「不穏試合」「シュート」「セメント」といったワードに胸が躍る方には特に興味深い作品だろう。
最後にDISC-3を紹介する。

① プロレスとは死闘なり。元祖喧嘩マッチの神髄がここに 13分13秒の伝説
昭和49年10月10日 蔵前国技館
NWF世界ヘビー級選手権試合
アントニオ猪木 vs 大木金太郎

猪木のデビュー戦の相手でもある大木金太郎は日本プロレス崩壊後、全日本プロレス入団、韓国へ帰国、そして猪木への対戦要求を経て新日本プロレス参戦となった。

開始ゴング前に大木の顔面にパンチを見舞うチャンピオンの猪木。
試合は前半こそ互角だったが、猪木が大木の頭突きを受け続ける展開へ。流血し劣勢を強いられる猪木だったが、ナックル・パートで形勢逆転しバックドロップで3カウントを奪った。試合後は両者抱き合い健闘を称え合った。

評価:☆☆

② 4人の思惑が絡み合った、異例の2週連続同一タッグ戦!!
昭和53年7月13日 室蘭市体育館
昭和53年7月21日 青森県営体育館
アントニオ猪木&藤波辰巳 vs ペドロ・モラレス&チャボ・ゲレロ

「ラテンの魔豹」ペドロ・モラレスとプロレス一族ゲレロ家の長男チャボ・ゲレロ。
藤波とゲレロ、猪木とモラレス、灼熱の好敵手同士が名勝負を繰り広げ、ノンタイトルながら2週連続でテレビ放送された。

三本勝負の一本目は藤波がゲレロから3カウントを奪う。二本目は藤波が場外のモラレスにドラゴンロケットを見舞うが、モラレス・ゲレロ組のセコンドに付いていた「吸血鬼」フレッド・ブラッシーが藤波に噛みつき形勢逆転。モラレスがブレーンバスターで藤波から3カウントを奪って1対1のイーブン。三本目はモラレス・ゲレロ組がラフファイトを展開。猪木とモラレスが場外に転落するとブラッシーが猪木に攻撃を加え、猪木・藤波組の反則勝ちとなる。怒りが収まらない藤波は場外でモラレスとゲレロにイス攻撃。リングに戻った4人は乱闘を繰り広げる。猪木と藤波がドロップキックでモラレスとゲレロを場外に落とすと、藤波はマイクを持って何かをアピール。モラレスとゲレロもマイクで応戦すると再び乱闘。モラレスとゲレロがリングを降りた後も猪木の怒りは収まらず、ブラッシーの介入を止められなかったレフェリーのミスター高橋に対して張り手、藤波もエルボーと逆水平チョップを見舞う。猪木はモラレスとゲレロに対し「レフェリーなんかいらない!」とアピールし、再戦を要求した。

そして翌週に行われた試合、一本目は両者リングアウト。その後の三本目から収録。モラレスが猪木の顔面をコーナーの金具に打ちつけ、止めに入ったレフェリーのレッドシューズ・ドゥーガンを振り払いモラレスの反則負け。せっかくの再戦もすっきりしない決着となった。

評価:☆☆

③ 喧嘩上等!最強ヒールの矜持!! シン&上田の最盛期をこの映像で
昭和52年1月14日 福岡九電記念体育館
昭和52年2月2日 大阪府立体育会館
NWA北米タッグ選手権試合
坂口征二&ストロング小林 vs タイガー・ジェット・シン&上田馬之助

新日本プロレス創成期を語る上で欠かせない外国人レスラー「インドの狂虎」ことタイガー・ジェット・シンと「まだら狼」上田馬之助の最狂ヒールコンビ。対するはNWA北米タッグ王者の坂口・小林組。

試合開始前から暴れ回るシン。三本勝負の一本目、ラフファイトで主導権を握るシン・上田組に執拗なまでの腕攻めを受けた小林がギブアップ。二本目は坂口が孤軍奮闘するも、やがてラフファイトにより形勢逆転。止めに入るレフェリーのミスター高橋にシンが攻撃。その後収拾がつかなくなり、ミスター高橋がノーコンテストの裁定を下す。シンと上田はベルトを高々と掲げ持ち帰ってしまう。

改めて行われたタイトルマッチ。試合前には客席から物が投げられ、リング上のガラスを処理する事態に。シンがショートアームシザース(キーロック)で小林から一本目を先取。二本目はシン・上田組の反則負け。シンはゴングが鳴っても小林に対する腕攻めを止めず、小林はリング上で大の字になって動けなくなってしまう。意識を回復させようと山本小鉄が小林の顔面を張る。小林の意識が回復しないうちに坂口とシン・上田組の乱闘が始まる。傍若無人のラフファイトにたまらず猪木がリングに上がりシンと上田を蹴散らすが、小林は動けず三本目は試合放棄となった。

評価:☆☆

④ 30年の時を超え遂に、ここに解禁。伝説の5寸釘マッチ
昭和53年2月8日 日本武道館
釘板デスマッチ
アントニオ猪木 vs 上田馬之助

上田は国際プロレスに参戦した後、昭和51年8月5日に新日本のリングに上がり、猪木に挑戦状を叩きつける(この時の模様も収録されている)
昭和53年1月27日、上田が釘板デスマッチを放送席にアピールし、両者の因縁抗争最終章として行われた。

リング下にびっしりと釘板が敷き詰められ試合開始。延髄斬りで場外に転落しそうになる上田。さらに猪木は腕ひしぎ逆十字固めを極めるが、なぜかレフェリーのミスター高橋はブレイクを命じる。上田に騙されたか。これにより形勢逆転。猪木はエプロンに押し出されるが、必死にロープを掴んで転落を免れる。その後猪木は腕攻めで逆襲、悶絶する上田。セコンドのタイガー・ジェット・シンがたまらずタオルを投入して試合終了のゴングが鳴らされた。

評価:☆☆

⑤ 同じキャラは二人はいらない ~赤鬼×猛牛の潰し合い~
昭和52年12月8日 蔵前国技館
格闘技世界一決定戦
ウイリエム・ルスカ vs バッファロー・アレン

ミュンヘンオリンピックで柔道金メダルを獲得したオランダの赤鬼ウイリエム・ルスカと、モントリオールオリンピックで柔道銅メダルを獲得したバッファロー・アレン(後にバッドニュース・アレンに改名)による喧嘩柔道王決定戦。

両者柔道着を着用。アレンの名前がコールされるとルスカが奇襲。3分10ラウンドの予定だったが急遽時間無制限一本勝負に変更される。
序盤は柔道的な展開だったが、ルスカのパンチ攻撃からプロレス的な展開へ。両者もつれて場外へ転落するとアレンがヘッドバット。ルスカは流血。優勢だったアレンだがルスカのセコンドに付いていたパット・パターソンに気を取られ、ルスカの裏投げ~腕ひしぎ十字固め~送襟絞(おくりえりじめ)で失神KOとなった。

評価:☆☆

⑥ 異常なる殺気。他流試合の壮絶がこの一戦に…
平成4年2月8日 札幌中島体育センター
異種格闘技戦
小原道由 vs 斎藤彰俊

新日本プロレスの小林邦昭と青柳政司館長率いる誠心会館の門下生によるトラブルから発展した抗争。誠心会館側で矢面に立ったのが「格闘3兄弟」の1人としてW★INGで活躍した斎藤彰俊だった。1月30日には小林にTKO勝利を収め、続けてアニマル浜口ジム出身の第1号プロレスラー小原道由との戦いに臨んだ。

リングインした小原は、マイクを持って小林を挑発する斎藤にタックル~ヘッドバット。試合開始のゴングが鳴る。正拳突きや膝蹴りなどの打撃で攻める斎藤に対し、投げ技・関節技・絞め技で対抗する小原。場外では新日本勢と誠心会館門下生による乱闘も起こる。いつの間にか流血していた小原だが構わずヘッドバットを連打。しかし反撃を受けた小原は斎藤の上段回し蹴りでダウン。立ち上がれずにKOとなった。試合終了後も小原に馬乗りになって追撃する斎藤。リング上では再び両軍入り乱れての乱闘となり、小原はタンカに乗せられて退場となった。

評価:☆☆☆☆☆

⑦ エグイほどの制裁 ~もうひとつの新日本×UWFインターナショナル~
平成7年10月29日 マリンメッセ福岡
獣神サンダー・ライガー&金本浩二 vs 佐野直喜&山本健一

新日本とUインターの間で勃発したプロレス史に残る全面対抗戦。
Uインター側はかつて新日本に所属しライガーとは同期の佐野直喜、そしてUインターで最も若かったヤマケンこと山本健一。
佐野のタッチを受けて山本がリングに入ると緊張感はさらに高まり、新日本流接待ともいうべき圧倒的制裁が行われる。特に他団体の選手に厳しいことで有名な金本の攻撃は危険だ。山本はUインターではあり得ないツープラトン攻撃などを受けながらも、気の強さを存分に発揮し奮闘。しかし最後はライガーの逆エビ固めでギブアップ負けとなった。

評価:☆☆☆☆☆

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