ワールドプロレスリング 2024年9月8日放送

2024年8月18日　東京・両国国技館
G1 CLIMAX 34　優勝決定トーナメント・ファイナル

ザック・セイバーJr. vs 辻陽太

Aブロックを1位で通過し、優勝決定トーナメント・セミファイナルでAブロック2位の鷹木信悟を破ったザック・セイバーJr.
Bブロックを3位で通過し、優勝決定トーナメント・セミファイナルでBブロック2位のKONOSUKE TAKESHITAを破った辻陽太
2024年のG1 CLIMAX 34は、この両名による優勝決定戦となった。

どちらが勝ってもG1制覇は初。加えてザックはイギリス人初のG1制覇が、辻は史上初の春夏連覇(NEW JAPAN CUP＆G1)が懸かっていた。

今の新日で、G1決勝のカードとしては妥当なところだろう。実際私が予想していたカードになったし、結果も予想通り(ザック優勝)だった。しかし私としては物足りなかった。G1優勝に対する執念が感じられたか？緊張感のある試合だったか？驚きはあったか？
テクニックと経験に勝るザック、パワーを含めた身体能力に勝る辻。お互いが自らの持ち味を出した試合ではあったが、「まあまあ良い試合」の域を出なかった(今年に限ったことでもないけど)

テクニックと経験以外に、私がザックを評価している点がある。それは、やられたらやり返す負けん気の強さ、バチバチの勝負も辞さない気性だ。これは日本人選手とではなく、外国人選手と戦った時の方が感じられる。それはつまり、今の新日の日本人選手にはそういう試合をやる(やれる)選手が少ないということだろう。辻もまたしかりだ。今回ザックは辻の顔を張ったが、辻は即座に張り返さず、何発か食らった後にカウンターでヘッドバットを見舞ってこの攻防は途切れた。観客に熱を与える絶好のチャンスをザックが作ったが、一瞬の盛り上がりで終わってしまった。この辺りは辻のファイトスタイル、気性、経験の浅さが原因と言えるだろう。

試合後ザックは日本語でマイク。外国人選手はどうしても言葉の面で不利になりがちだが、ザックはそこも理解しているのだろう。新日のトップに立つには日本語によるマイクは必要だと。
まず最初に、引退を発表したNOAH時代の先輩、小川良成に対する労いと感謝の気持ちを口にした。この辺りも礼儀を重んじるイギリス人らしく、とても好印象だ。
続けて恒例のIWGP世界ヘビー挑戦に関して口にした。例年だと1.4東京ドームでの挑戦となるが、10.14両国での挑戦を表明した。新日は1.4のメインでザックが内藤からベルトを奪取するというアングルでは弱いと感じたのか(だとしたらその通りだろう)。それとも来年は1.4に続けて1.5「WRESTLE DYNASTY」も予定されているので、その辺の兼ね合いだろうか。