2025年10月13日 東京・両国国技館 KING OF PRO-WRESTLING 2025
IWGP世界ヘビー級選手権試合
<王者>ザック・セイバーJr. vs KONOSUKE TAKESHITA<挑戦者>
個人的にはワクワクしないカード。その理由は両者のスタイルが対極にあるからではないか。テクニックを主体としたスタイルのザックとパワーを主体としたスタイルの竹下。高度なグラウンドの攻防も、派手な投げ合いも見られない。両者とも「強さ」を大事にしているが、強さの表現方法が違う。言ってしまえば噛み合わないのだ。
この試合でもザックが軽い掌底のような形で竹下を挑発する場面があったが、竹下はゆっくりと肘のサポーターを外して大きなモーションで強烈なエルボーを叩き込んだ。良い悪いではなく好みの問題だと思うが、私はこうした場面で瞬時に怒りのスイッチを入れて顔面を張り返すような選手が好きだ。
スケールの大きな竹下のプロレスは非常に分かりやすくて、日本人離れしたパワーと身体能力は3団体所属となってでも新日が欲しいと思ったのも納得がいく。しかし感情表現(とりわけ怒り)においては物足りなさがあり、マイクも用意されたセリフを読まされている感が否めない。
一方のザックもバチバチの試合やグラウンドの攻防に応じてもらえなければ、地味な印象を与える試合展開になりがちだ。そう考えるとザックは竹下よりも成田あたりの方が噛み合うだろう。
プロレスは1人では良い試合を作れない。「感情」か「スタイル」のどちらかが合わないと試合をスイングさせるのは難しい、と改めて感じた。
さて、どうでもいい私のプロレス論はここまでにして肝心の試合内容だが、竹下の右腕を攻めるザックがやや優勢に見える展開。竹下も主導権を渡すまいとエルボーやワガママといった打撃、トペ・コンヒーロやレイジングファイヤーといった大技を見舞う。最後は竹下がジャーマンスープレックス2発、リバースフランケンシュタイナー、ワガママと一気呵成に攻め立て、右膝のサポーターを外してのワガママでフィニッシュ。初挑戦でIWGP世界ヘビー級王者に輝いた。
試合後、復帰した後藤洋央紀がリングに上がり挑戦表明。分かりやすいかませ犬だ。
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