2024年9月3日 東京・後楽園ホール
高山善廣を支援するプロレスイベント「TAKAYAMANIA EMPIRE」
高山は2017年5月4日、試合中のアクシデントにより負傷。入院先で頸髄損傷および変形性頚椎症と診断され、現在も入院生活を続けている。
TAKAYAMANIA EMPIREにおける収益は、必要経費を除いてすべて髙山の医療費に充てられるとのこと。
今回は2018年8月31日の第1回、2019年8月26日の第2回以来、5年ぶりの開催となる。
スペシャルゲスト
武藤敬司
山崎一夫
小橋建太
高木三四郎
第1試合
ハードヒット vs ハードコア
佐藤光留、植木嵩行 vs 鈴木秀樹、葛西純
全5試合しかないとはいえ、第1試合から興味深いカード。
ハードヒットとハードコアの持つ緊張感も見せつつ、レフェリー和田良覚を巻き込むエンターテインメント性もあり、オープニングマッチとしては上々。
しかしデスマッチのカリスマと言われるだけあって葛西純の人気はすごいな。
第2試合
帝王降臨
里村明衣子 vs シン・広田さくら改めシン・髙山善廣
帝王・髙山善廣に扮したシン・広田さくらが入場から会場を沸かせた。
バランス最悪のスーパービッグブーツを履いた広田と、シリアスな里村のギャップが生み出すエンターテインメント。
第3試合
チーム300kg対決
井上雅央、橋本千紘、優宇 vs 秋山準、石川修司、松本浩代
男1女2対男2女1の変則ミックスドマッチ。
試合の半分以上は痛風の井上雅央を中心に繰り広げられたファニーなプロレスだったが、橋本千紘と秋山準、橋本千紘と石川修司のマッチアップはなかなか見ものだった。
トークショー
武藤敬司 × NOSAWA論外
MC:鈴木健.txt
武藤とNOSAWAが高山に関する出来事や思い出を語った。主に全日本、GURENTAI時代の話。
第4試合 セミファイナル
タッグマッチ
丸藤正道、男色ディーノ vs 菊タロー、浜亮太
マツコ・デラックスに扮した菊タローと浜亮太。まともなのは丸藤のみ、と思いきや最後は丸藤が菊タローにリップロック。
第5試合 メインイベント
鈴木みのる vs 柴田勝頼
セミファイナルとのギャップがすごい。これもプロレスならではの魅力だろう。
それにしても何十発打ち合っただろうか。リング内外で繰り広げられた逆水平チョップという名の意地の張り合い。もはや場外カウントも数えない。なぜか途中、解説席に座る小橋が2人に逆水平を見舞う場面も。
みのるは56歳、柴田は44歳。正直全盛期はとうに過ぎている。しかし今これだけの試合を見せられる選手がどれだけいるのか。今の新日本プロレスの試合よりもはるかにストロングスタイルだった。
試合はPKで柴田の勝ち。
試合後は2人で座礼。
年間ベストバウトに選ばれてもおかしくない、素晴らしい試合だった。
試合後、車いすに乗せられたまま高山善廣がリングに上がった。
鈴木みのると高山がリングの対角線上に位置し、2人の名前がコールされ、時間無制限一本勝負のゴングが鳴らされた。当然高山は動くことすらできない。そんな高山に「来いよ!」と叫ぶみのる。戦友からの叱咤激励に対する嬉しさか、それともその熱い想いに応えられない悔しさか、高山の頬には涙が伝う。試合はノーコンテスト。非常に感動的なシーンだった。
最後は出場選手らとともに「ノーフィアー!」で締めた。