江戸川乱歩③「三角館の恐怖」

乱歩とハヤブサ 江戸川乱歩

収録作品
三角館の恐怖

「三角館の恐怖」(長編小説)

<あらすじ>
東京の築地付近に、正方形の敷地と建物を真二つに区切った奇妙かつ堂々たる西洋館があった。
右三角館には双生児の兄蛭峰(ひるみね)健作らが、左三角館には弟康造らが住んでいた。
ある日、相談がしたいという手紙を受け取った弁護士の森川五郎が健作老人を訪ねる。
健作の父の遺言により、健作と康造のうち長生きした方が父の残した莫大な財産を相続することになっていると聞かされた森川は、健作と康造の話し合いの場に同席する。
心臓の病により死が間近に迫っている健作は、どちらか生き残った方が財産の半分を先に死んだ方の子どもたちに譲るという新たな取り決めを申し出る。
その場での返答を避けた康造はその日の夕食後、養女桂子の夫である鳩野芳夫に、健作からの申し出を断るつもりであることと、手さげ金庫から少しずつ札を盗んでいくどろぼうがいることを話す。
その直後、康造は帽子と外套を身につけた正体不明のかたわ者によって銃で撃たれて殺される。
警視庁捜査一課の名探偵と言われている篠(しの)警部と、中学時代からの友だちである森川弁護士はこの事件について調査する。
康造が死んだことで財産は全て健作が相続するはずだったが、健作は自らが申し出た通り財産を折半すると言う。
健作の息子たちが折半に反対する一方、一日でも早く折半の保証が欲しい康造の養子良助は、健作が篠警部の願いを聞き入れ折半の証書への捺印を延期したことに対して毒づく。
そうした諍い(いさかい)があった直後、今度は健作が何者かによって首に短剣を刺されて殺される。
謎のかたわ者、札どろぼう、財産折半の証書を狙う者、健作の二男丈二と桂子の関係、そして二人の老人を殺した犯人とその動機は…。

<レビュー>※ネタバレあり
アメリカの推理作家ロジャー・スカーレットの「エンジェル家の殺人」を原作とした翻案小説ということで、乱歩色は薄めの本格推理モノ。
少々強引だったり腑に落ちない点がいくつかありますが、一風変わった構造の館とそこで起こる殺人事件、そしてそれぞれの住人たちの思惑が絡み合う点が面白いです。
特に康造を殺した不気味なかたわ者の存在、エレベーター内での殺人、そして名探偵篠警部が最後に犯人をおびき出すために仕掛けた罠、といった辺りが読者を惹きつけるポイントではないでしょうか。
ちなみに、最後まで読まなくても犯人と動機は分かると思いますが、本作の途中には犯人と動機を推理させる「読者への挑戦」があります。
犯人は康造の養女桂子の夫である鳩野芳夫で、動機は健作の二男丈二が財産目当てで桂子とくっつくのを防ぐためでした。
犯人(芳夫)は終始、桂子に財産が渡らないように動いています。桂子が財産を受け取れなければ丈二は桂子に用はないからです。
まずは財産が健作のものになるように康造を殺します。本来ならこれで桂子に財産は渡らないのですが、健作が財産を折半すると言い出します。これが実行されると桂子は財産の四分の一を手にすることになるので、丈二は桂子に近づきます。そのため今度は折半を約束する証書をなんとか無効化しようとしつつ、健作を殺します。しかし最後は篠警部の仕掛けた罠にはまり、金庫に入れた証書を盗みにきたところで捕まります。
とても楽しく読めましたが、翻案ということで☆4つ。

<評価>
☆☆☆☆

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