METALLICA 9thアルバム「DEATH MAGNETIC」

＜収録曲＞
1. That Was Just Your Life
2. The End Of The Line
3. Broken, Beat & Scarred
4. The Day That Never Comes
5. All Nightmare Long
6. Cyanide
7. The Unforgiven III
8. The Judas Kiss
9. Suicide & Redemption
10. My Apocalypse

＜ラインナップ＞
James Hetfield / Vocals, Guitars
Lars Ulrich / Drums
Kirk Hammett / Guitars
Robert Trujillo / Bass

＜レビュー＞
メタル界最強のモンスター・バンド、メタリカの9thアルバム。
2008年リリース。

今回はボブ・ロックではなくリック・ルービンをプロデューサーに起用しました。原点(スラッシュ)回帰とはいかないまでも、前を向き続けてきたメンバーに過去を振り返らせたという点において、リック・ルービンは良い仕事をしたと思います。

前作「ST.ANGER」では金属音のようなドラム(スネア)の音が特徴的でしたが、本作はそれに比べると普通の音と言えます。全体的に音に迫力があり、総じてリフが良いという印象です。

アルバムは心臓の鼓動のような音から始まる “That Was Just Your Life” で幕を開けます。攻撃的なリフ主導でスピード感があります。

“The End Of The Line” ではリフとドラムの絡みが良いアクセントになっています。8分近い曲ですが、インストパートや静かなパートを挟むことで単調にならないような構成になっています。

“Broken, Beat & Scarred” は勢いのある中盤のインストパートが聴きどころです。

“The Day That Never Comes” は哀愁のある静かなパートで始まり、前半はバラード的な曲調。そして後半は激しいインストというドラマティックな曲構成です。

“All Nightmare Long” は細かく刻むリフが気持ち良いアグレッシヴな曲。歌メロも良いです。

“Cyanide” は変拍子や複雑な曲構成にプログレッシヴな雰囲気を感じます。

“The Unforgiven III” は5thアルバム「METALLICA」収録の “The Unforgiven”、7thアルバム「RELOAD」収録の “The Unforgiven II” に続くパート3で、ドラマティックな曲です。

“The Judas Kiss” は独特なドラムのリズムやリフと歌メロがクセになる曲です。

このアルバムの私的ベスト・チューンは “My Apocalypse” です。10分近いインスト “Suicide & Redemption” から続く最後の曲で、本作で最も速さを感じる曲です。比較的ストレートに疾走します。ギターソロもGood！

全10曲中7曲が7分を超える長尺の曲ですが、ギターソロがあったり曲展開があったりと、冗長にならないように工夫されています。プロデューサーのリック・ルービンはメタリカのメンバーに「最高の10曲を書け」と言ったらしいですが、個人的には捨て曲なしの良いアルバムだと思います。